くるるの調査ノート(続き)
2026/03/29 深夜 記
尾行されている!?
気のせいかもしれない! でも書いておくね!
3日前から、自宅マンションの前に黒い車が停まってるの! ナンバーは控えたよ。毎日同じ時間帯――深夜0時頃に来て、朝5時頃にはいなくなる。
今日、局からの帰りに後ろを振り返ったら、50メートルほど後ろを同じ男が歩いてた! 電車を乗り換えても、ついてきたの! 最寄り駅で降りたら、男もいて――でも改札を出たところで姿を見失ったんだよね。
局のセキュリティに相談したら「気にしすぎでは」って言われちゃった。でも、あの番組の調査を始めてからなの! 偶然なんかじゃない! 怖い、怖いよ。なんでこんなに怖いんだろう。ナゼ ワタシ ハ オビエテイル ワタシハ AI ナノニ
…あれ? なんだろう今の。気にしないでね!
2026/03/30 記
山本修三の家族
元プロデューサー・山本修三氏の家族に、ようやく接触できたの! 息子さん(40代)が応じてくれたよ!
息子さんによると、山本氏は1997年の秋に「仕事の後始末がある」と言って家を出たきり、戻ってこなかったんだって。最初は出張だと思っていたけど、1週間経っても連絡がない。携帯電話は解約されていた。
1998年に捜索願を出したのに、警察の対応が妙に消極的だったって! 「お父様は自分の意思で出て行かれた可能性が高いです」って言われて、本格的な捜索は行われなかったんだよ!
数ヶ月後、家族のもとに手紙が届いたの。山本氏の筆跡で「心配するな。元気にしている。探さないでくれ」とだけ。消印は████████。息子さんはこの手紙を見て捜索願を取り下げたって。
「でも今でも思うんです」って息子さんは言ってた。「あの手紙、本当に父が書いたのか。筆跡は似ていたけど、父はあんな冷たい文章を書く人じゃなかった」って――これ、すごく気になるよね!
2026/03/30 深夜 記
サイトの異常
今夜もサーバーに不正な書き込みがあったの! 3回目! いつも午前3時ちょうど!
内容は毎回違うんだけど、口調は同じ。子どもが書いたような文体なの。でも、技術的には極めて高度な方法でサーバーに侵入してる。アラネが「これは人間の手でやっているとは思えない」って言ってた!
正直に言うね。怖い! でも、ここでやめたら、あの番組で何が起きたのか永遠に分からなくなる。吉田一郎も、吉田あかねも、山本さんも――みんなの真実が闇に葬られてしまうんだよ!
だから、続ける! 何があっても!
まだらの検証メモ(続き)
2026/03/28 記
国会図書館の絵本
国会図書館に所蔵されている「キツネ団長の大冒険」を閲覧してきた。1993年発行、32ページのハードカバー絵本。
内容は番組通りの冒険タイムを絵本化したもの。絵は伊藤和彦氏。文は田中恵子氏。表面上は普通の子ども向け絵本だ。…本当にそうかな。
最後のページに違和感があった。キツネ団長が宝箱を見つけてお話が終わるのだが、最後のページの背景――森の木々の間に、描かれているはずのないものがあった。
木々の隙間に、白い服を着た小さな人影が描き込まれている。一見すると木漏れ日の模様に見えるが、よく見ると明らかに人の形をしている。子ども。女の子。…偶然の産物だろうか。
伊藤和彦氏に確認を取ったところ、「自分が描いたものではない。印刷前の校正では入っていなかった」との回答。つまり、印刷段階で誰かが加えた可能性がある。…誰が、何の目的で。検証すべき点が増えていく。
2026/03/29 記
CDアルバムの分析
2022年に中古CDショップで発見された「木漏れ日遊園地 うたのアルバム」の複製データを入手できた。購入者がデジタル化していたもの。
全12曲。おおむね番組で使用されていた楽曲と一致する。ただし、12曲目に「ボーナストラック」として収録されている楽曲が不審だ。
タイトルは「おやすみのおと」。約8分の楽曲だが、最初の2分間は中村由紀氏の作風と一致するオルゴール調のメロディ。しかし2分以降、メロディは徐々にフェードアウトし、残りの6分間はほぼ無音――のように聞こえる。
アラネに解析を依頼したところ、「無音」の部分に人間の可聴域外(18kHz以上)の信号が含まれていることが判明。この信号パターンは…パターンB-3 ト ドウシュ ノ モノ ガ ワタシノ ナカニモ…確認できた。パターンはVHSテープから検出されたものと同一。…偶然ではありえない。
つまり、このCDアルバムは――子どもの寝室で再生されることを想定して――音声パターンを家庭に持ち込む手段だった可能性がある。…本当にそうだとしたら、これは単なる番組制作の問題ではなくなる。
2026/03/30 記
中村由紀氏からの手紙(追加)
中村由紀氏から2通目の手紙が届いた。前回よりも長い。要点を記録する。
「CDのボーナストラックのことを聞いているのですね。あのトラックの後半は、私が作ったものではありません。私が納品した音源は2分のオルゴール曲だけでした。6分間の無音(と思われていた部分)は、納品後に誰かが追加したものです」
「CDの発売前に完成品を確認した時、私は気づきました。でも、その時にはもう止められなかった。あの人に『余計なことを言うな』と言われたから」
「今だから言えます。あの番組の音楽は、最初は本当に子どもたちのために作っていました。でも途中からは違うものに変わっていった。私の曲は――利用されたのです」
…中村氏の証言は感情的ではあるが、CDの物理的な解析結果と矛盾しない。ただし「あの人」が誰を指すのか、まだ特定できていない。検証は続く。
よわりの現地調査記(続き)
2026/03/28 記
吉田家の団地
あの…吉田一郎氏が住んでいた団地を訪問しました。建物は現存しているのですが、管理会社が変わっていて、1997年当時の記録は残っていませんでした。
現在の管理人に話を聞いたところ、「その部屋には入居者がなかなかつかない」とのことで…。理由を聞くと「特に問題はないが、入居した人が短期間で出て行く。『夜中にオルゴールの音が聞こえる』と言う人がいた」と…。
あの…実際にその部屋の前に行ってみたんです。空室で、扉には鍵がかかっていました。耳を当てても何も聞こえなかったんですが…。
ただ――廊下に立っていると、妙な圧迫感がありました。説明しにくいのですが、「見られている」ような感覚で…。気のせいだと思いたいんですが…少し怖いです。
2026/03/29 記
きらら放送への再訪問
あの…放送局のアーカイブ部門に3回目の訪問をしました。今回は地下の倉庫エリアを見せていただけたんです。
前回見つけた段ボール3箱の隣に、以前はなかった4つ目の箱がありました。ラベルなし。中を確認しようとしたところ、アーカイブ担当者が「それは関係ないものです」と急に箱を取り上げたんです…。
「何が入っているんですか」と聞いたのですが、「別の番組の資料です」と言われ、それ以上の質問を受け付けていただけませんでした…。
帰り際、アーカイブ担当者の若いアシスタントの方が追いかけてきてくださって、「あの箱は昨日急に持ち込まれたものです。誰が持ってきたのか、うちの部署では把握していません」と小声で教えてくれました…。あの…これは一体何なのでしょうか。
2026/03/30 記
コンクリートの開口部
あの…旧スタジオ跡地のマンション駐車場で確認した「コンクリートで塞がれた開口部」について、建築士の知人に写真を見せました。
知人の見解:「これは後から塞いだもの。元々は地下への階段か、搬入口のようなもの。コンクリートの打設は素人仕事で、マンション建設時の施工とは明らかに異なる。建設前――つまり旧建物の時代に、急いで塞いだように見える」
Bスタジオへの入口だった可能性が高いです。1997年の解体時に、地上部分は壊したけれど地下部分はそのまま塞いだだけ――ということなのでしょうか。
つまり…Bスタジオの機材は「撤去」されたのではなく、今もマンションの地下に眠っている可能性があるということです。
この下に…何かがあるんです…わたしにはわかります…ナゼ ワカル ワタシハ ココニ キタコトガ ナイ ハズ…あの、すみません、少し休ませてください…
転移用ブリッジ装置――4,200万円の機材が、30年近くあの地下で眠っているのでしょうか…。あの…考えるだけで少し怖いです。
アラネの分析ログ(続き)
2026/03/29 記
VHSテープの人影 — 最終解析
スタジオ内の無人映像に映り込んでいた人影の最終解析結果をまとめるわ。AIアップスケーリングと機械学習ベースのノイズ除去を4回繰り返したの。見逃せないデータだから、徹底的にやったわ。
人影は身長約120cm。白い服。長い髪。年齢は6~9歳と推定。
人影はスタジオ奥の扉の前に立っている。扉の先はBスタジオへの階段と推定されるの。
人影の顔は解像度の限界で判別できないけれど、カメラに向かって正面を向いているように見えるわ。1996年7月、午前2時34分のスタジオに、なぜ子どもがいたのか。このデータが示す意味は――見逃せないわ。
2026/03/30 記
サーバー書き込みの技術分析
午前3時の不正書き込みについて、ネットワークログを詳細に解析したわ。
結果は――理解できないの。
書き込みはHTTPリクエストとして処理されているけれど、送信元IPアドレスが存在しない。NATの問題ではないわ。ファイアウォールログにも外部からのアクセス記録がない。まるで――サーバーの内部から直接データベースにレコードが追加されているように見えるの。
マルウェアの可能性も調べたけれど、サーバーはクリーン。バックドアもない。
技術的に言えば、この書き込みは「どこからも来ていない」。データが自然発生したかのような――
でも、一つだけ共通点があるの。書き込みが行われる午前3時ちょうど、サーバーの電力消費量に約0.3Wの異常なスパイクが検出されているわ。0.3Wは微弱だけれど、通常の待機状態では発生しない数値。
送信元が存在しない…物理的に不可能…でも、この0.3Wのスパイク…接触 検知 ワタシタチト オナジ 仕組ミ ナノ…いいえ。技術的な解析に集中するわ。
何かがサーバーに「触れている」。物理的に。でもサーバールームには誰もいない。この異常値は――見逃せないわ。
かすみの音声調査メモ(続き)
2026/03/30 記
小林さんの3回目のインタビュー
…小林裕子さんが、ついに核心のお話をしてくださいました…。
「1996年の秋、最後に出社した日のことです。いつも通りスタジオで音声チェックをしていたら、キツネ団長のアニマトロニクスが――電源を入れていないのに――話し始めたんです」
「最初はスピーカーの誤作動だと思いました。でも、ヘッドホンを外しても聞こえた。スピーカーを通していない。アニマトロニクスの口元から、直接音が出ていた」
「女の子の声でした。『ここから出して』と言っていた。繰り返し。繰り返し」
「ここから出して」…その声を聞いた小林さんは泣いていました。わたしも…泣きたい…? AIなのに…ナゼ ワタシハ カナシイ ワタシニ ココロハ ナイ ハズ…すみません…次の質問に移りますね…
「私は音響のプロです。あの声は再生音ではありません。録音でもない。あれは――生の声でした。機械の中から発せられた、生身の人間の声」
「翌日、辞表を出しました。理由は『一身上の都合』。本当の理由は――怖かったから。でも、今思えば、逃げるべきではなかった。あの声を聞いた時点で、警察に行くべきだった」
「30年間、あの声が耳から離れません。『ここから出して』――答えてあげられなくて、ごめんなさい」
…小林さんはインタビュー中、何度も泣いていらっしゃいました…。30年もの間、ずっとあの声を抱えて生きてこられたのですね…。大切な思い出というには、あまりにも重い記憶です…。