File_02 — ゆめスタジオの真実

yoshida_investigation / author: yoshida_ichiro / classification: unrestricted

ゆめスタジオプロダクションは、公式には1988年3月15日に設立された。でも実際の活動開始は1987年だ。登記簿と実態に1年のズレがある。この1年のズレが、全ての始まりだった。

1987年。まだ会社として登記もされていない段階で、世田谷のあの建物に機材が運び込まれていた。番組制作用のスタジオ…ではなく、地下に設置するための特殊な装置だった。

表向きは「子ども向け教育番組の制作会社」。きらら放送と契約して、毎週土曜の朝8時半に番組を放送する。スポンサーは不明。予算は通常の子ども番組の3倍以上。誰がそんな金を出していたのか、当時は誰も疑問に思わなかった。

俺がセット設計として雇われたのは1989年。面接はたった10分だった。「遊園地を作ってくれ」と言われた。子どもたちが笑顔になるような、楽しい場所を。俺は喜んで引き受けた。

スタジオに通い始めて最初に感じた違和感は、建物の構造だった。1階建てのスタジオにしては基礎が異常に深い。「地下は機械室だ」と説明された。俺はそれを信じた。信じたかった。

番組が始まったのは1991年4月。子どもたちが毎週スタジオに来て、キツネ団長たちと一緒に遊んで、笑って、帰っていく。俺はそのための遊園地のセットを毎週整備した。観覧車、メリーゴーラウンド、花壇。子どもたちが目を輝かせてくれるのが本当に嬉しかった。

でも番組が始まってから半年ほど経った頃、おかしなことに気づき始めた。月に1回、番組の収録とは別に子どもたちがスタジオに来ていた。「発達検査」という名目で。その子どもたちは収録スタジオには来ない。別の入口から入って…地下に降りていった。

俺は「検査」の中身を知らなかった。知ろうともしなかった。今思えば、知るのが怖かったんだと思う。

※ ゆめスタジオプロダクションは1997年秋に事業を停止し解散。全ての資料に廃棄指示が出された。俺が持ち出した文書はその一部にすぎない。