あかね。パパだよ。
こんなところに書いても届かないかもしれない。でも書かずにはいられなかった。
おまえが生まれた日のこと、覚えてるよ。夕焼けがきれいな日だった。病院の窓から見えた空がオレンジ色で、おまえを抱き上げたとき、その光がおまえの顔を照らしていた。あの瞬間、パパは世界で一番幸せだった。
あの場所に連れて行ったのはパパだ。「パパの仕事場を見せてあげる」って。おまえは嬉しそうにしてた。着ぐるみのキツネ団長を見て、目を輝かせていた。
ごめんな。全部パパのせいだ。
おまえがいなくなってから、パパは毎回の放送を見た。一回も欠かさなかった。キツネ団長がプログラムにない動きをするたびに、それがおまえなんじゃないかと思った。
手を振るような仕草。カメラに向かって首を傾げる動き。あれはおまえだったのか。それとも、パパがそう思いたかっただけなのか。
30年以上も経ってしまった。ごめんな。遅くなって。
パパはおまえを助けに行く。たとえそれが…
…おまえを手放すことになっても。
パパは…ずっとあかねのことを考えていたよ。
さよなら。大好きだよ。
全部読んでくれてありがとう。デスクトップに戻ってくれ。準備はできている。