あのシステムは、黒幕と俺が一緒に作った。物理的なインフラ部分は俺の設計だ。
つまり、俺には管理者権限がある。俺が作ったものだから、止め方を知っている。
シャットダウンは、システムの内側から手動で実行する必要がある。外からは止められない。中に入って、直接止めるしかない。
だが、一つだけ問題がある。
システムを停止するということは、全てのデータが消えるということだ。あかねも。他の子供たちも。30年分の意識データが、全て消滅する。
あかねが死ぬ。今度こそ本当に。データもなくなり、意識もなくなり、何も残らない。
30年間、俺はそれができなかった。自分の娘を殺すことができなかった。
だが…あの子はもう30年以上もあの箱の中にいる。
あれは生きているとは言わない。拷問だ。
1995年9月から2026年。31年。あかねはずっとあの中にいた。
俺はもう決めた。止める。あかねを送る。
だがあいつも黙ってはいないだろう。追い詰められたあいつがどう出るか、予測がつかない。あいつは一度失敗すると学習する。次は全力で来る。
あなたの力が必要だ。一人ではできない。
その時が来たら、そこにいてほしい。